財布の歴史
毎日なんの気なしに使っている財布ですが、その歴史は貨幣経済の現れとともに発祥しました。
貴重品を袋にひとまとめにして持ち運ぶようになったのですが、貨幣経済自体が多発的なもののため、財布の発生については明確にはなっていません。
欧米では1690年の紙幣登場とほぼ同時期に財布が使われるようになりました。
それ以前には牛革や馬革をなめした紐付きの小さな袋に硬貨を入れて財布代わりにしていましたが、紙幣を収納するための財布が発展するようになりました。
また日本では鎌倉時代ころから貨幣が流通するようになります。
当時使われていたのは中国の穴あき貨幣だったため穴に紐を通して持ち運んでおり、薬や火打石を入れるポシェット状の巾着袋はありましたが、まだお金を入れるための財布は登場しません。
ようやく江戸時代に紙幣が使われるようになると同時期に財布が使われるようになり、当時の服装は和服だったため、財布が落ちないように根付で帯に吊るされていたようです。
江戸時代に使われていた財布は身分によって異なり、庶民は早道・巾着・胴巻きなどを使い、身分の高い階層は懐紙入れの豪華版になる大名財布や大夫財布などの見せ財布を使用していました。